ドイツの大学で日本語教員養成課程を持っているのは2大学しかありません。
その一つ、ケルン大学でその担当をしておられるモニカ・ウンケル先生に、今年度2回に渡り大阪大学に短期滞在していただきました。
阪大の国際共同研究推進プログラムに採択され助成を得たので、ケルン大学と大阪大学の「クロス・アポイントメント制度」で、大阪大学特任准教授として9月20日から10月11日までお越しいただきました。
帰国前に共同研究の成果の一部ということで、研究会でお話をしていただきました。
このところドイツの大学や学校で重要課題の一つになっている「インクルーシブ教育」についてお話いただきました。
日本の現状については、阪大日本語日本文化教育センター(CJLC)の今井忍先生にご登壇いただきました。
コーディネートをさせていただいた私としても、これは重要なテーマだと思います。個人的には、20年以上前にアメリカの大学で日本語を教えていた時に、自分はLD(Learning DIsability 学習障害)なんだけれども、と相談に来た学生に、(アメリカは進んでいるなと思いはしましたが)結局何もしてあげられなかった苦い経験があります。様々な特徴やニーズを持った学生にどのように対応していくかは、一つの解答があるとは思いませんが、考えていかなくてはならないと思っています。
会の内容としては以下の通りです。****************
日本語・日本文化教育研究会 第30回研究発表会
2017年10月7日(土)
於:大阪大学中之島センター 406号室
13:10-14:10
パネルセッション
「日本語教育に関わるインクルーシブ教育の日独比較」
真嶋潤子、今井忍、モニカ・ウンケル
13:10-13:15 趣旨説明 真嶋 潤子
13:15-13:35「日本の留学生教育におけるインクルーシブ教育の現状」 今井忍
13:35-13:55「ドイツにおけるインクルーシブ教育の現状 −ケルン大学の例を生かして−」モニカ・ウンケル
13:55-14:10 質疑応答とまとめ 真嶋潤子
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会場には約50名の聴衆が来られ、熱心に聞いてくださいました。
ありがとうございました。
これから益々考えていかなくてはならない課題が多い分野だと思います。