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2018年3月13日
同志社大学にて下記の要領で行われたシンポジウムに出ました。私は、これまで10年ぐらい、日本の公立小学校で困っている中国にルーツのある児童の二言語のことを研究し、見てきました。社会的・経済的に大変な環境にあり、勉強も「しんどい」子どもたちが多い地域でもあります。でも今回の発表では、初めて「バイリンガル子育てに成功したと言える大学生」について報告しました。事例研究ですが、日本の公立学校を出て、(難関)国立大学で中国語を専攻している中国ルーツの学生5名について、保護者と本人へのインタビュー調査の結果からわかった教育方針を紹介しました。非常に優秀な学生たちですが、「マルチリンガル人材」育成のための親の考え方や子供の教育への関わり方がとても厚く深く広く、興味深かったです。
同志社大学 日本語・日本文化教育センター主催シンポジウム
『グローバル時代に必要なマルチリンガル人材の育成』
主催:同志社大学 日本語・日本文化教育センター
「グローバル化の流れを受け、複数の文化言語の中で育つ子どもたちは増加の一途をたどっています。中等・高等教育の現場でも、このようなモノリンガルとは異なる背景をもつ学生たちの存在に目が向けられるようになってきました。長年日本で行われてきたモノリンガルへの学校教育・言語教育と、文化言語の多様な学生に対する教育とでは、何がどのように違うのか、また違うべきなのでしょうか。言語学、教育学、社会学といった様々な分野の専門家を迎え、ダイバーシティーを包摂することの意味を、聴衆の皆さんと一緒に考えたいと思います。 」
【プログラム】
12:00 受付
12:30 開会挨拶 (日本語・日本文化教育センター所長 新 茂之)
12:40 【基調講演】
中島和子 (トロント大学名誉教授)
『グローバル時代に必要なバイリンガル・マルチリンガル人材の育成
- モノリンガルとどこが違うか -』
14:00 休憩(コーヒーブレイク)
14:45 【パネルセッション】
赤松信彦 (同志社大学文学部英文学科教授)
「マルチコンピテンスの重要性 - マルチリンガルとモノリンガルの違い -」
徐 潤純 (同志社大学日本語・日本文化教育センター准教授)
「在日コリアンのアイデンティティを支えるもの -複言語主義の観点から-」
小島祥美 (愛知淑徳大学交流文化学部准教授)
「東海地域に暮らす学齢期超過の子どもたちの現状とその課題
-大学生とのワークキャンプを通じて-」
真嶋潤子 (大阪大学大学院言語文化研究科教授)
「日本で多言語環境を生かしてマルチリンガル人材に育った大学生の成功要因
-国立大学で中国語を専攻する中国ルーツの5名の事例研究より-」
16:50 閉会挨拶
チラシダウンロード.pdf