FD研修会参加者の声と今後の展望


真嶋潤子

はじめに
 2004年9月24日に本学で実施した本年度FD研修会の参加者によるアンケートの集計結果を報告する。研修会当日の参加者への連絡の不手際もあり、残念ながら回収率はあまり高くないが、事後に再度よびかけ、メールでもアンケート用紙を再送したので、意味のある回答が得られたと評価している。
これまで行ってきた本学のFD研修会の目的は、複数あると考えている。
1)FDに関する教職員の理解と意識を高める機会を提供する 
2)本学の教職員間の意見交換の場を提供する 
3)大学教育に関する内外の情報を提供する 
以下にまとめたアンケート回答からもわかるように、これらの目的を具現化する形態において、改善すべき点があることは否めないが、企画者の意図は全体として非常によく理解され、肯定的に受け止められていると判断できる。「日常的に大学教育について考えたり議論したりする機会が少ないことを意識化すること」「他大学の例など外部情報で刺激を得ること」「普段話さない同僚と話をすること」などから、自分の関わっている教育現場について、あれこれ思いを巡らしていただくこと、それこそが本学の教育の質的向上に結びつく第一歩であるところの教員の質的向上のスタートラインであると考えている。どのようにすれば大学をよりよい学びの場に変えていけるのか、それを考えるための教職員のウォーミングアップの、または目覚まし時計の役割を、このFD研修会は担っていると考えている。本学の教育上の問題に取り組むために、少々遠回りに見えても、まずは参加者一人一人の大学教育に関する意識や理解を活性化する機会を提供したいと考えた。そのための栄養剤の役割を担った今回の研修会であり講演会であったのではないかと位置づけている。
過去2年間は、学内の異なった部署や立場からの情報提供を元に、本学の現状に関する問題意識の共有を狙った研修を行ったが、今回初めて外部の講師を迎えて講演をお願いした。国際基督教大学の鈴木寛教授の豊かな教育経験とFD活動のご経験、本学に合わせてよく練られた講演内容、そして素晴らしいお人柄の御蔭で、少なくとも研修参加アンケート回答者からは100%、講師の人選が良かったとする回答を得ている。この結果をふまえ、鈴木寛教授の講演は今回参加できた「幸運な人々」だけの「伝説の講演」で終わってはもったいないと、将来計画についても考えているところである。
以下にアンケートで寄せられた回答をまとめて提示する。自由記述の部分は、記入されたままを掲載する。


アンケート結果             有効回答29名(回収率56%)
■ 研修の概要に関すること

(1)研修時期
   1「今の時期でいい」: 20名  
   2「別の時期がいい」: 8名  
    創立記念日など授業期間内で休校となる日
  春休み
  3月か4月
  新学期がスタートする前か直後
  8月上旬など
  授業期間中
  学期中の土曜日
  全学で行うのであれば、全学が授業のない時になるよう配慮してほしい
   3 無回答: 1名

(2)研修期間
   1 「1日でよい」: 18名 
(うち1名:「各参加者が事前に研修課題を行って1日で終える方式でよいと思う」)
   2 「長い方がよい」: 2名(2日間)
   3 「短い方がよい」: 8名
   4 無回答: 1名
(3)研修場所
   1 「本学でよい」: 26名
   2 「外部の施設がよい」: 2名
   3 無回答: 1名
(4)タイムテーブルの構成
   1 「今回のような形でよい」: 21名
   2 「もっと細かく分けたほうがよい」:   2名
   3 「一つ一つにもっと時間をかけた方がよい」:4名
   4 その他: 2名
(5)どれがもっとも有意義だと感じましたか
1 講演: 25名
2 分科会: 2名(1と重複回答)
3 分科会報告: 0名
4 無回答: 2名

(6)それはどのような点で有意義だと感じましたか
・ 範とすべき大学との比較ができた点
・ 外大以外の大学の取組みがわかった  3名
・ 特に1については「理論的枠組み」や「方法論」を把握する上で、また2については「実際・実践面」を知る上で、双方とも必要不可欠である
・ 他大学の話をきくことで本学の見直しに役立つから/本学の状況と比較検討できる意味で有意義であった 2名
・ 講演の内容が具体的で説得力に富んでいたから
・ 効果的なプレゼンテーションでICUの取組みについて詳しく知ることができた点
・ 他大学の取り組み方を聞くことにより、我が大学の取り組み方を真剣に考えることができた
・ FD活動で成果をあげているICUの事情を詳しく知ることができたので
・ 本学の教員に欠けている視点や姿勢について自覚できたので
・ 知らないこと、有意義なことを多く聞くことができた
・ 外部の動向をダイレクトに知ることができる
・ 本学の参考になる情報が聞けたから 3名
・ 外大とは異なる視点を知ることが重要と思いました
・ 他学の先進的な試みを知ることができた 
・ 講師が大変すばらしかった
・ 他の大学の事例を直接聞くのは極めて有意義
・ 教育システムの改善の重要性については同感
・ 講演の組み立て、目配りの良さ、問題の把握などが的確であった
・ 分科会での討論の土台作りとなった
・ 早くから導入されている経験から、メリットとデメリットの両面を聞けたこと
・ 素晴らしい事例と、その背後にある考え方を知ることができた

■ 研修形態について
(7)初めての試みとしてFD・学生指導担当者合同研修会にしましたが、それについてどう思いますか。
1 「合同でよい」:  21名
2 「別々の方がよい」:  4名
3 その他:  4名(よくわからない 等)

その理由:
1の理由:
・双方の動きを知ることができるから
・共通要素/重複する領域 が多々あると思われるから
・昨年、学生指導者研修会に参加したが、両者の研修の目指すところは同じであると認識した
・合同のほうがシステム構築を行うのに共通認識が得られ、有効
・ただし、今回のように一部のみ合同で。(テーマによっては別々の方が良いこともある)
・時間の無駄を省けるため
・別々に行う意味を見いだせないから
・2日ぐらいあれば共通の問題が出る
・よく似た内容が多いので

2の理由:
・それぞれの研修の主旨があいまいになる
・分科会報告が機能できていない
・ 合同の場合1日というのは短すぎる。内容としては合同でする意義はあるのだが。
その他の理由:
・ 内容によるのでどちらとも言えませんが、今回はどちらかといえば「2 別々」でも良かったような印象です。その理由は、今回の場合は、FD出席者から見ると十分に両者が噛み合っているようには思えなかった。

(8)午前の講演は全学講演会にしましたが、それについてどう思いますか。
1 「それでよい」:  28名
2「全学講演会にしないほうがよい」:  1名
その理由:
1の理由:
・全学的に情報が共有されるから。ただ今回研修委員以外の教員がどれほど参加していたかは確認しておいたほうがよいだろう。
・ 一人でも多くの教職員がFDについて自覚的になることが望ましいと思うので。
・ 基本的にFDによって何を学ぶべきかが比較的理解しやすい。
・ できるだけ多数の方に別の視点を知ってもらう上で良いのでは。
・ 情報の共有のため。
・ 幅広く参加者を募った方がよい。
・ できるだけ多くの人が聞けるようなものの方が望ましい。
・ 研修会のメンバーでない人も自由に参加できる形になっている方がよいから
・ 多くの教員に参考になるので。
・ 強制的に参加させられるのではなく、自分で聞きに来るべき講演だから。
・ せっかく外部から講師の方が来るのに、できるだけ多くの人が聞いた方が良い。
・ 今回のテーマであれば適当。
・ 特定の人々を対象にした内容ではないから。

2の理由:
・ 時期の問題とテーマによっては?

■ 外部講師の講演について
(9)今回初めての試みとして外部から講師をお招きしました。それについてどう思いますか。
(A)講師の人選
1 「よい」:  29名  
2 「よくない」:  0名

その理由:
・ 非常に熱心に取り組みをされている方で、本学の今後の参考になると思うため。
・ FDの経験が豊富な講師だった。 2名
・ 具体性、情報量と質、実績、本学への理解度(本学教職員に聞きやすい内容にして下さった点)  2名
・ わかりやすくまとまった話だった。ICUという本学と同規模の大学だったので、比較しやすかった。
・ 刺激と示唆を得られるから
・ 内容も話し方も優れていたから。
・ 講演が周到に準備されていた。
・ より広い視野に立って世界の、また日本における他大学の状況・現状を把握するためには不可欠。
・ 大変素晴らしい内容でわかりやすかった。
・ 外大ではとうていなしえないような取り組みが聞けた。
・ 本学にも講師のようなタイプの人材を養成する必要がある。
・ 大局的な観点から教育システムを見直すことができました。
・ 新鮮
・ 他大学の先進的な取り組みを知ることができる。
・ FD活動で成果を上げているICUの事情を詳しく知ることができたので。
・ 他大学の現状を知る上で有効だから。
・ 他大学の取り組みについて知る機会がないので良かった。

(B)講演のテーマ設定
1 「よい」:  28名
2 「よくない」: 1名

1の理由:
・ 演題と内容とに少しギャップがあったような気がする。話そのものは面白いものであった。
・ 今後の本学の教育に役立つ内容だったから。
・ 大学がどうあるべきかを考えさせるテーマであった。しかし学生中心/教員中心とは何かを明確にすべきであった。
・ 本学にはない取り組みが多かった。
・ 外大が遅れているテーマだから
・ 教育システムについて、教員同士で変える(?)ことが今こそ必要だと思うから。
・ 外部の動向をダイレクトに知ることができる。
・ FD担当者の意図が理解しやすかったから。
・ 外大の取り組みに大変参考になった
・ 同規模の他校の状況を知ることで、自らの現況がはっきりした。

2の理由:
・ テーマの設定理由(必然性、意図)は、大学(教育推進室)がもっと説明すべき。

■ 改善点について
(10)やり方をもっと改善したほうがよいというところはありましたか。(複数回答可)
1 講演:  1名
2 分科会:  11名
3 分科会報告:  12名
4 なし:  10名

(11) それはどのように改善したらよいと思いますか。
1について:
・ 講演50分+質疑応答10分=60分におさめる。

2について:
・ 分科会の参加者に対して事前にもっと明確なテーマの周知や資料の配布が必要
・ 時間が長過ぎてとても疲れた。もう少し短時間にしてほしい。
・ より具体的な討論課題を設定したほうが、議論が拡散せずまとまりやすいのではないか。

3について:
・ 報告するだけであれば報告書で事足りるのでは?するのであれば、議論へと発展させるもののほうが良い。

(12) 必要のない、あるいはあまり意義がないというところはありましたか。(複数回答可)
1 講演:  0名
2 分科会:  2名
3 分科会報告:  7名
4 なし:  19名

(13) その理由を教えて下さい。
2の理由:
・ 各分科会のテーマ間のつながりがまちまちで、まとまりがなかったように思われたから
・ 分科会のみの限定された意見になってしまう恐れがありませんでしょうか?

3について:
・ 文書による報告で読めるから。
・ FDに関して問題意識の乏しい教員が少なくないようである。問題意識の乏しい環境で討議をまとめるのは困難で、成果らしい成果もあまり見込めないように思う。

(14) こういう部会を作った方がよいというものがありましたら、教えて下さい。
・ 授業の相互参観
・ 卒論指導/模擬授業+意見交換を分科会で。
・ 部会というより、事前に講座や専攻で問題点をまとめておく。

特になし:25名

(15) 研修の参加人数について

1 今回ぐらいの人数がよい: 24名
2 多い方がよい:  0名
3 少ない方がよい:  2名
4 その他:  4名

参加してほしい部門や人の希望があればどうぞ。
・ 大学の運営にかかわる上層部は全員参加にするべき。
・ いかに全学的にアドバイザーシステムを組織として構築するか。
・ 「問題センセイ」にこそ出てほしい。

(16) 研修全体についてお尋ねします。研修全体の趣旨はよく分かりましたか。
1 よく分かった:  23名
2 どちらともいえない:  6名
3 何の趣旨なのかよく分からない: 0名

■ 将来への提案など
(17) 「こうしたらFD研修がもっとよくなると思う」ということがありましたら教えて下さい。
・ 上層部の人たちが参加して意識改革していかないと、何も改善していかないと思う。
・ もっと本学の現状の把握や問題点などを事前にすくい上げ、一種のたたき台を提示し議論をしないと、その場限りで発展性は望めないだろう
・ 報告書を印刷するよりも、インターネットホームページに情報を上げて公開するほうが良い。
・ FD研修担当者がFD研修の目的、論点の整理を予め明確にしておくこと。その上で、FD研修担当者がFD研修の成果を総括し、実際的な改善案を提示すること。
・ 詰め込みでなくゆとりのあるスケジュールで。
・ 今回のスタイルが、大きな負担もなく、かつ新鮮な情報もあり、プラス面が大きかったと思う。
・ 時間を短縮して(例えば、集中した3時間)濃密に行う。
・ 分科会で話し合うテーマをいくつかリストにして、具体的なテーマについて1つか2つ、分科会で取り上げたほうがよいのではないか。
・ 前もって具体的な課題を与えられていれば、より効果的ではないか。
・ 推進室が設定したテーマに対し(Q)研修で明らかになった課題(A)に推進室がどう対応するのか、その部分がなければ単なる「研修」におわり「FD」にならない。
・ 学内の具体的な問題点をテーマに用いると活発な議論が期待できると思う。

(18) このような研修をすることに意義があると思いますか。
1 意義がある:  24名
2 どちらともいえない:  5名
3 意義はない:  0名

(19) そう思った理由をお聞かせください。
1の理由:
・ こういったテーマについて深く考えたり議論したりする機会が日常にないから。
・ 目を見開かれる知見にふれることができたので。
・ 各専攻・専攻語での取り組みを知ることができ、今後の教育改善に生かすことができると思ったので。
・ いろんなことを考えるきっかけになるから。
・ ICUのあり方から、外大は学ぶべき点が多いから。
・ 学生の質的変化に対応するために他専攻(語)の教員と意見交換の場がもてたから
・ 日常考えていることを明確に意識化することができる。
・ 少なくとも特定の問題を意識させることができる点で。
・ 今後、外大の特色をいかに出すのか?を考えるためにも。
・ 自分になかった視点を認識させていただいた点。
・ 他大学、他専攻、他専攻語の教員あるいは職員の人の意見を聞ける。
・ 外部の情報を知り、共有し、外大内で競い合うことは重要である。
・ 講演内容に本学では取り組まれていないものが多かった。
・ 知らないことを多く学ぶ機会が与えられる。但し、現在のような参加の(半)強制はやめて欲しい。教員が自主的に参加するようなインセンティブを考えられてはいかがでしょうか。
・ 大学の発展、社会状況からも、教員全員が問題意識を共有する必要があるから。
・ 普段一緒にならない人(同僚)を知る機会になった。
・ 学内の教育システム・教育の質の向上・教員の意識改革等について継続的に強い関心を持ち続ける上で不可欠であろう。

2の理由:
・ 今後、FD研修担当者がFD研修の成果をどのように総括し、実際的な改善案を提示するのか、また、各先生方が研修を受けどのように変化するのかによってその「意義」がはじめて評価できると考えるから。
・ 参加者と非参加者の間に温度差が生じることを危惧する。
・ 自分個人としては有意義だったと感じているが、教員全体としてはどうだろうか。あくまで義務だからという理由で参加している教員を見かけると、FDに関する全学的な取り組みに対して研修会がどれだけ寄与するものなのか、疑問を感じる。
・ 個人的に得ることは多いが、それを同じ専攻、専攻語内で共有することが、現在の研修形態では無理である。
・ 体力的にきつくて午後は集中して聞くことができなかった。

(20) 今後どのようなFD研修会なら(自由参加であっても)参加しようと思いますか。内容・テーマ・形式などご意見があればお書きください。

・ 日本国内の外国語大学・外国語学部をつないだ研修。日本国外の外国語大学の現状、将来像を紹介する研修。
・ 先進的な言語教育をしている大学の取り組みを聞きたい。
・ 外大に対してよい刺激と示唆をあたえてくれる講師の話が聞けるなら。
・ 教員に問題意識と自覚を持たせるのに有効。
・ 学部、大学院、留学生日本語教育センターが1つになって取り組むテーマと、学部だけが考えるべきテーマは別にあるのではないですか。
・ より効果的な語学教育を行う上で参考になることが多いに期待されるもの。また、学生の語学運用能力をアップさせることだけではなく、一方で「継続は力なり」が大事な要素である語学教育・習得において阻害要因となるような事柄(夏休みなどの長期休暇、アルバイトなどに見られる長時間労働等)に対する対応の仕方についても目を向け解決策等を探っていかねばならないであろう。なお短期集中型が理想である語学教育、留学(学生交流)、教員による国際交流等、外大における教育・研究上いろんな面で都合がよいと思われる「セメスター制の導入と外大における教育・研究への影響」という項目も1つのテーマとして取り上げてFD研修会等で真剣に議論してもいいのではないか。
・ まずは、今回のようなものでよいのではないか。研修会で検討する時間を設定するのもよいのではないか。
・ 例えば、講演のひとつは今回のようなテーマでやり、もうひとつの講演は、具体的な技術的な内容(同時に複数の研修、パワーポイントの利用法etc.)の研修を行えばどうか。
・ 外大の中核は語学教育です。その語学教育向上の具体的な授業形態・プログラムなどについての提案・テーマなど。
・ 理想的には、大多数の教職員がFDに関する問題意識を高められることが望ましいと思う。しかし、問題意識の乏しい教職員に対して有意義な影響を与える方法となると、咄嗟には思いつかない。FD研修の実施・運営に関わった担当教職員の皆様、お忙しいところ大変ご苦労様でした。私個人としてはとても有意義な機会(講演)を提供してくださったことに感謝しております。ありがとうございました。
・ 状況による。「学生中心」の内容面を深める。
・ 特にありません。基本的には、丸一日を使って良かったとは実感できませんでした。その他、最後に、アンケート用紙を最初からメールで送っていただけると良かったと思います。
・ 今回のような形がよい。
・ 今回のような参加の(半)強制はやめてほしい。

おわりに
 時間をとってアンケートに答えて下さった参加者のみなさんの声は、どれもまじめに誠実に本学のFD研修活動に対しての考えを述べてあり、企画運営に携わった我々は、真摯に受け止め今後に役立てていくべきであると考えている。
今回の研修会では、3年目の取り組みということで、過去2年間で参加する機会のなかった人たちの中から半分の方に参加していただいた。この方式については賛否の議論ができるが、アンケートからは研修会のあり方としては総意として支持を得ている。
このような形式で、ともかく来年で一応の完成を見る予定である。それ以降の発展的FD研修会のあり方については、今回のアンケートでも貴重な示唆を色々いただいたが、今後も学内の意見を聞きながら本学教職員にとって有益な内容や方法を検討していきたい。そしてそのことにより、本学の教育の主体である学生の学びが今よりさらに促進されればと願うものである。
最後に、今回のFD研修会では例年に比べて準備のための打ち合わせが不十分であったと反省している。言い訳めくが、大学法人となって動き出した本学における教育推進室においては、その位置づけや仕事の範囲や分担、責任の所在などわからないことだらけで右往左往していたこともあり、課題山積でFD研修会に投入する人的時間的配分は最小限であった。それでも室員を中心に多くの方々のご協力とご支援で、まがりなりにも無事に研修会を実施できたことを有り難く思う。講師の鈴木寛先生には、事前の準備も周到に、熱意を持って講演してくださったのみならず、本学学生との懇談でも学生達を魅了し、また研修会後にFD研修参加者の「質問紙」への懇切丁寧しかも迅速な返答までしてくださったことを明記し、外大に知的でさわやかな風を吹き込んで下さったことを心から感謝したい。また、熱心に参加して下さった参加者のみなさんにも、このFD研修会の「主役」としての働きに感謝してまとめとしたい。