FD研修会を終えて                 真嶋潤子

 

 今年は大阪外国語大学として最後のFD研修会になるだろうということで、統合を控えた時局柄「FDどころではない」と言った巷の声は意に介さないことにして、あるいは「大変な時だからこそ、教員資質を上げる努力をしておかなくては!」と言い聞かせるようにして、何とか研修会の実施に漕ぎ着けることができて安堵している。教育推進室の担当者の尽力と、周りの大勢の方の支援、そして実際に時間を割いて参加してくださったみなさんのお蔭であり、無事終了することができて心より感謝している。

 今年は名古屋大学から新進気鋭の中井俊樹先生にお越し戴くことができて、研修会にさわやかで新鮮な空気を送り込んでいただいた。世の中の少なからぬ大学ではFD研修では「誰かを呼んで講演を聞いて終わり」という風に行われていると漏れ聞いたが、本学では今年も「参加型」にした。講演会でも、手慣れた中井先生の働きかけで、聴衆が参加する形になり「黄色い蝶」をみんなが作って盛り上がった。(当日参加していない方には、理解不能ですみません。)

 全体講演会の後、小グループによる話し合いの場を設け、その後再度全体会でそれを報告し合うという形で参加状況について情報を共有した。これで終わりにせず、さらに今年は「外国人教師」のカテゴリーの先生方にも参加を呼びかけ、スミス先生によるベルギーの本学協定校(ルーヴァン・カトリック大学)訪問調査の結果を言語教育に絞ってお話いただいた。そして議論は英語と日本語が飛び交う場となった。

 今年のFD研修会の新しい試みは、1)非常勤の先生方に参加を呼びかけたこと、2)外国人教師の先生方に参加を呼びかけたこと、3)研修会の最後はバイリンガル(英語主流)で行ったこと、という3点であった。すべてが完璧とは行かなかったと思っているが、1)と2)は実際に積極的な参加者が何人もおられたこともあり、手応えを感じた次第である。

 統合を控え、先行きに不安を感じる人も多い中、ともすれば閉塞感に苛まれそうになるが、FD研修会という非日常の空間で、予想以上に集まってくださった参加者のみなさんが、私もそうであったように、自分の授業を良くするためのヒントを得ることができたり、職場に知り合いが増えたり、少し元気をもらったりしてもらえたなら幸甚である。